不動産を売買する際には、不動産の権利や物件の詳細を確認するための書類、本人確認書類など多くの書類が必要です。不動産を手放す方法には、専門業者に買い取ってもらう「不動産買取」と、仲介業者に依頼して個人に売却する「不動産売却」の2つがあります。今回は、不動産買取時に必要な書類について解説します。

不動産買取に必要な書類とは

不動産買取を依頼する業者が決定したら、以下のような書類を用意しておきましょう。必要書類は大きく分けて、売主に関する書類と不動産に関する書類の2種類があります。

身分証明書

売主の身元を証明する書類が必要です。運転免許証やパスポート、健康保険証などを用意しておきましょう。

印鑑証明書

3か月以内に発行された印鑑証明書を用意しておきましょう。印鑑登録が終わっていない人は、役所で登録してもらえます。

住民票

物件の登記上の住所と、売主の現住所が異なる場合に必要です。3か月以内に発行された住民票を用意しましょう。

銀行口座書類

売却金額は、指定した銀行口座に振り込まれます。口座番号の誤りを防ぐため、銀行口座の情報を書面にして提出しましょう。

ローン残高証明書

住宅ローンを利用している物件の場合、ローン残高証明書が必要です。住宅ローンを利用している金融機関に依頼して、最新のものを入手しましょう。

権利書（登記済証）

権利書と呼ばれる登記済権利証は、不動産を購入した際に法務局が発行する書類です。売主が本当に物件の所有者であるかを証明できます。

建築確認通知書・検査済書

一戸建ての住宅を売却する際には、建築確認通知書や検査済書が必要です。売却する不動産が建築基準法を満たしているかが確認できます。

耐震診断報告書

耐震診断報告書とは、耐震構造を備えているかを証明する書類です。不動産の売買に必須ではありませんが、買主に求められることもあります。

建築設計図・工事記録書

これも必須書類ではありませんが、土地や一戸建ての住宅を売却する際には喜ばれます。購入後、リフォームやリノベーション工事をする際に役に立つからです。

固定資産税納付書・固定資産税評価証明書

毎年4月頃に市役所から届く、固定資産税納付済書も必要です。無くさないように保管しておきましょう。

土地測量図面

一戸建てや土地のみを売却する際には、土地の境界線や広さを証明する書類が必要です。土地家屋調査士や測量士に依頼すると、作成してくれます。

管理規約書・使用細則

マンションを売却する際には、マンションの管理規約や共有スペースの使用に関する規則が確認できる書類があると親切です。管理方法や細かいルールを気にする買取業者も存在します。

不動産買取で必要のない書類はある？

不動産買取も不動産売却も、買主に不動産を売る契約です。基本的に必要書類は変わりません。しかし、不動産買取は不動産のプロである買取業者と売買契約を締結します。そのため、不動産の価値を証明する書類は不要です。物件の設備に関する取扱説明書や物件購入時のパンフレットは、不要書類の代表でしょう。また住宅性能評価書や地盤調査報告書などの不動産の性能や品質を示すものも、不動産買取では不要です。

反対に、個人を相手にする不動産売却では、不動産の価値や詳細を確認できる書類が必要です。必須条件でない書類であっても、用意しておくと喜ばれることもあります。また、不動産を高く売るための材料にもできるでしょう。買主から信頼を得れるため、より高くより早く売れる可能性もあります。

買取か売却かで必要書類が異なる

不動産買取と売却では、必要になる書類の種類が異なります。なぜなら、不動産買取と売却には、以下のような違いがあるからです。

契約相手の違い

不動産買取は買取業者と売買契約を結びます。主に不動産会社が買取を行っており、不動産会社は買い取った物件にリフォームやリノベーションを施し、再販売することで利益を得ています。不動産売却は、主に個人と売買契約を結びます。仲介業者は売買契約の手助けをおこなう役割です。買い手を探すための販売活動や広告活動を行ってくれます。

売却完了までの時間が異なる

個人に不動産を売却する場合は、一から買主を探すため時間がかかります。売買契約や引渡しが完了するまでは、一般的に3カ月程度を想定されるようです。買取の場合は不動産買取業者が買主となるため、広告・販売活動が必要ありません。短期間で契約締結でき、売主の事情を考慮したスケジュール調整も可能です。

契約相手や契約内容が異なるから必要な書類も異なる

以上のことから、不動産を売却するときの必要書類も異なります。買取の場合、契約相手である買取業者には、物件の価値を見出す能力があります。必要書類が少なくて済み、手続きが簡略化できる点は不動産買取のメリットでしょう。

まとめ

不動産買取にはたくさんの書類が必要です。しかし仲介業者に依頼する不動産売却と比較すると、必要書類は少なくて済む傾向にあります。不動産買取は不動産のプロである買取業者に買い取ってもらうからです。とくにマンションのパンフレットや設備の証明書などは、用意できなくても問題ありません。買取業者は自身で調査できるでしょう。とはいえ、不動産は高額な商品の取引のため、複数の書類が必要です。契約直前になって慌てないよう、計画的に書類を入手しておきましょう。

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